2024.11.12
技術最前線

三菱ワイヤ放電加工機のタッチセンサ機能で測定工程を合理化

測定工程の重要性と今後の需要

工作機械で加工物に対する測定は、製品の品質や精度を確保するために極めて重要です。

特に、高精度が求められる航空宇宙、自動車、医療機器などの産業では、微細な寸法の誤差が製品の性能や安全性に直結するため、測定の重要性が増しています。

現代の製造業では、複雑な形状や厳しい公差の要求が増加しており、それに伴い、加工後の測定の需要も高まっています。

顧客からの品質保証の要求や国際規格への適合が厳しくなる中、測定データをもとにしたトレーサビリティや品質管理は不可欠となっています。

また、製造プロセスの自動化が進む中、リアルタイムでのフィードバックや自動測定が求められており、これにより、加工中に即時に問題を発見し、修正することが可能になります。

結果として、リスクを低減し、リワークや廃棄を最小限に抑えることで、コスト削減や生産効率の向上にもつながります。

測定は、今後の製造業においてさらに需要が高まる分野です。

測定工程の課題

工作機械で部品を加工した後の測定工程における課題は、いくつかの要素があります。

まず、測定作業自体が手動で行われることが多く、作業者の熟練度や体調によって測定結果が変動する可能性があります。

また、加工後すぐに測定が行われない場合、加工不良や寸法誤差の発見が遅れ、リワークやスクラップが発生するリスクがあります。

さらに、測定専用の設備や機器が限られている場合、測定待ちの時間が生じ、生産全体のスループットに影響を与えることがあります。

これにより、測定工程がボトルネックとなり、全体的な効率を低下させる要因となります。

最終的には、リアルタイムでのフィードバックが難しく、即時対応が遅れることが非効率さを助長します。

測定工程の課題の一般的な解決策

工作機械での加工後の測定工程における懸念事項や非効率に対する一般的な対応策として、いくつかの方法が考えられます。

まず、自動測定機器の導入が挙げられます。非接触式の測定器や三次元測定機を導入することで、測定精度を高めつつ作業者による誤差を削減できます。

また、加工機と測定機器を統合したインライン測定システムを導入することで、加工後すぐに自動的に寸法確認が行われ、不良品の早期発見が可能になります。

これにより、リワークやスクラップの発生を抑えることができます。

さらに、測定データをリアルタイムでフィードバックするシステムを構築し、即座に加工条件を調整できるようにすることも有効です。

また、測定機器の数を増やし、待ち時間を減らす工夫も効果的です。これらの対応により、測定工程の効率化と品質の安定化を図ることができます。

製造業における人材不足

製造業における人材不足は、深刻な課題となっています。

特に、日本や欧米諸国では少子高齢化により、若年層の労働力が減少しており、熟練工や技術者の引退に伴う技能継承が難しくなっています。

製造現場では、経験豊富な人材が不足しており、現場の知識や技術の伝承が困難になる一方で、新たな人材の採用も難航しています。

また、若年層が製造業を敬遠する傾向があり、ITやサービス業に比べて製造業は魅力を感じにくい職業として認識されていることも課題です。

さらに、デジタル技術や自動化の進展に伴い、新しい技術を扱える人材の需要が高まる一方、こうした分野に精通した人材が不足していることも問題です。

この人材不足により、生産効率の低下や競争力の減退が懸念されており、製造業の持続可能性が問われています。

これに対処するためには、技術教育の強化や、若者に製造業の魅力を伝える取り組みが必要です。

測定工程の課題解決に対する三菱電機の提案|タッチセンサによる機上寸法確認機能

タッチセンサの概要

三菱電機のワイヤ放電加工機において、測定工程の課題解決に対する三菱電機の提案はタッチセンサによる機上寸法確認機能です。

タッチセンサは手動でワイヤガイドを取り外さずにタッチセンサを取り付けることが可能で、機上で加工結果を確認することができます。

その結果、機外測定、再段取り工程を削減することができます。

タッチセンサ専用画面もあり、衝突の心配もなく、簡単に機上で寸法確認が可能です。

また、機外での測定を削減し、機上確認結果を検品結果として活用されるユーザー様もいらっしゃいます。

タッチセンサの機能

  • 加工穴の確認:ピッチプレート上に加工された〇▢形状30ヶ所の寸法確認
    • X/Y幅寸法の確認
    • 最大同時確認高さ:3か所
    • 手動で各確認箇所をティーチング
  • 加工基準位置決め:コーナ、幅、4点中心など段取り基準位置決め
    • 手動で基準面や退避面をティーチング
  • CamMagic連携:三菱電機のCAD/CAM「CamMagic」と連携可能で、確認箇所の測定プログラムを自動で生成
  • 確認結果出力:確認結果をCSV形式で出力可能
  • 測定結果:一覧で表示可能
    • 穴番号、確認形状、確認Z高さ、中心座標、幅寸法、ピッチ、XY端面検出座標
    • 保存形式:CSV形式

タッチセンサのメリット

  • 機外での測定工程削減
    • 再段取時間削減
    • 温度慣らし時間削減
    • 機上寸法確認画面による簡単操作
    • 多数穴の自動確認から結果管理まで可能
    • 確認結果のデータ出力/活用
  • 段取り作業の効率化
    • ワーク平行/平面出しの簡略化(作業者のスキルによるばらつき軽減)
  • 位置決めの信頼性向上
    • ワーク倒れに影響されず位置決め可能

5.MVシリーズのカタログ

今回、ご紹介いたしました、「タッチセンサ機能」は「三菱電機ワイヤ放電加工機 MVシリーズ」でご使用いただけます。

ご興味ある方は下記のリンクからカタログをご請求いただけます!

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