ロクトールと緑青について
今回はロクトールについてご紹介します。
1.緑青の発生のメカニズム
2.ロクトールとは
3.その他の緑青対策製品
の3つに分けてご紹介します。では早速見ていきましょう。
1.緑青発生のメカニズム
メカニズムを理解する前に「緑青」についてご説明します。
1-1.緑青とは
緑青 とは、 銅 が 酸化 することで生成される青緑色の 錆 のことです。イメージしやすいのは鎌倉の大仏やニューヨークにある自由の女神が青緑色をしていますが、あれも緑青によるものです。
1-2.緑青のメカニズム
水中で発生する緑青については次のようなメカニズムで発生すると考えられています。
⑴水中にある銅合金ワークからCu⁺イオンが溶出
⑵Cu⁺イオンの大半は酸化され亜酸化銅Cu2Oになるが、一部はCuOになり銅合金ワークに酸化膜を形成
⑶酸化膜は再度Cu2⁺イオンとして溶出
⑷Cu2⁺イオンは、酸素、二酸化炭素、水と反応し、緑青CU2CO3(OH)を生成
また緑青発生には3つの条件があると言われています。
⑴水が滞留する時間があること
⑵水中の溶存酸素濃度が6~7.5mg/L内であること
⑶水中の遊離炭酸濃度が5~30mg/L内であること
2.ロクトールとは
ロクトールとは、三菱電機メカトロニクスエンジニアリング株式会社が販売している、イオン交換樹脂で、ワイヤ放電加工機に使用します。
緑青の発生原因となる陽イオン(金属イオン)を除去し、緑青発生を抑制する効果があります。
通水することで導電率をさげる(比抵抗を上げる)効果のあるイオン交換樹脂と直列でつなぐことができるので、工事は不要です。
1点注意なのが、発生してしまった緑青を取り除くことはできず、あくまでも発生を抑制するものです。したがって、発生する前の段階でご使用になることをおすすめします。
3.その他の緑青対策製品
ロクトールの他にも緑青対策製品はあります。
例えば、フィーブリケミカル株式会社から販売されている緑青紛(青粉)付着防止システムの「ノンロク」
株式会社NMCから販売されている「HYP-AD3」
こちらは本来はワイヤ放電加工機の防錆用の添加剤ですが、緑青の付着防止効果もあります。
いかがでしたでしょうか。もっと詳しく知りたい方はお問い合わせフォームからぜひお問い合わせください。