ワイヤ電極線を選ぶ上でチェックしておきたい6のコト
こんにちは!放電加工機お役立ちナビです。
今回はワイヤ放電加工機の刃物と呼べる「ワイヤ電極線」を選ぶ時に気を付けたいことなど6つのチェック項目をご紹介していきます。
ワイヤ電極線といっても実はメーカーや種類が様々あります。
ご興味のある方は一読お願いします!
①ワイヤ電極線の線径
一般的にはφ0.2~0.25を使用するケースが多いです。
加工機に使っている「ダイス」の径にあった線径のものを選んでください。
大きいとワイヤ電極線が通りませんし、小さいと加工中に電極線がブレてしまいます。
現在販売されているワイヤ電極線の線径は以下の通りです。
・φ0.3・φ0.25 ・φ0.20・φ0.15
・φ0.1・φ0.07・φ0.05・φ0.03・φ0.02
線径が細くなるほど高額になっていきます!
②ワイヤ電極線の材質
ワイヤ電極線の材質は銅と亜鉛を混ぜた「黄銅(真鍮)」が一般的に使用されています。
ほとんどのユーザー様がこの黄銅ワイヤ電極線を使って加工しています。
ワイヤ電極線の材質といえば黄銅と認識しても良いくらいです。
ワイヤ放電加工機メーカーもこの黄銅ワイヤ電極線用の加工条件は必ず用意しています。
他にもタングステンや、亜鉛コーティング(被膜)、ピアノ線(鋼線)など様々な種類があります。
亜鉛コーティングのワイヤ電極線は加工速度アップ!など様々な特徴があります。
③ボビンの重さ
ワイヤ電極線は「ボビン」に巻かれた状態で皆さんの工場へ届きます。
注文される際にはそのボビンに何Kg分巻かれているのか確認して下さい。
多くは5Kg、10Kg、20Kgの3種類です。
通常の加工機には5Kgと10Kgを取り付けることができます。
20Kg巻いてあるボビンは大きく重いので多くの場合、加工機と別で専用の設置する装置があります。
※外国メーカーで8Kg巻きなんて言うのもあります。少ないですが・・・
④メーカー
ひとえにワイヤ電極線といっても多くのメーカーが存在します。
日立金属、沖電線、チバテクノ等々・・・
またワイヤ放電加工機メーカーでは純正のワイヤ電極線を販売していることもあります。
三菱電機㈱では「Rワイヤ」、㈱ソディックでは「はやぶさワイヤ」を発売しています。
ちょっと今使用しているメーカーから変えてみたい・・・と思ったらぜひご相談ください!
⑤加工する内容
加工内容を一度確認してみましょう。
ワイヤ放電加工機はワイヤ電極線とワークの間で火花(放電)を起こし、加工していきます。
その為、加工した溝はワイヤ電極線よりも放電ギャップ分だけ太くなります。
例えば「0.3mmの溝を加工したい」時は、電極線の線径はφ0.3mmではNGです。
φ0.2~0.25mm以下の電極線を使用する必要があります。
また、テーパ加工をしたい場合は「角度」が重要です。
通常の黄銅ワイヤ電極線では角度が大きいと(10~15度以上)、ワイヤ電極線が上部ダイスと下部ダイスで擦られ、加工前や加工中に断線してしまいます。
断線を防ぐためには黄銅ワイヤ電極線の中でも「軟質」のワイヤ電極線を選ぶ必要があります。
⑥納期
―お客様「明日までに欲しい!」
―商社やメーカー「ちょっとそれは・・・」
こんなやり取りありますよね。
ワイヤ電極線の納期は大体2~3日を目安に発注をご検討ください。
多くのメーカーが「午前中の注文で当日発送」が多いですが、在庫がたまたま無いこともあるので余裕を持った発注が安心です。
また通常の黄銅ワイヤ電極線以外は納期がかかることがあります。
⑤で挙げた軟質ワイヤ電極線や、黄銅ではない材質のワイヤ電極線です。
受注生産品もあり、納期に2か月かかることもあります。
まとめ
ワイヤ電極線といってもチェックするポイントがあります。
特殊な加工に用いられるワイヤ電極線など今回は触れなかったワイヤ電極線も今後詳細をアップしていきますのでお楽しみに!
こちらの記事でまとめた内容はあくまで一部の情報です。
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