三菱電機ワイヤ放電加工機 MVシリーズ vol.2
1.はじめに
前回に引き続き人気機種のMVシリーズについてご紹介します。
まだ前回の記事をご覧になっていない方は下記リンクにお進みいただき
ご覧になってください。
2.加工精度向上
オプトドライブシステム
高速光通信とシャフトリニアモータの相乗効果により、加工精度が大幅に向上するほか、
自社製のサーボアンプと制御装置を用いているため
親和性が高く最適なシステムとなっています。
シャフトリニアモータ
シャフトリニアモータは文字通りシャフト形状になっているリニアモータなので
全磁束を推力に効率良く使用することができます。
そのため電力消費量が削減できるほかに、他メーカーの平板リニアモータと比較して
コア(鉄心)への磁束集中によるコギングを最小限にできるので、
位置決め精度(送り精度)の悪化を低減できます。
サーマルバスター
サーマルバスターはMVシリーズにおいては、
MV4800SとMV4800Rに標準搭載されています。
機械構造体の温度と加工液温度を同調管理し、構造体の温度変化を抑制しています。
また、加工液タンク内の温度を
・加工槽内及び下部アーム
・構造体Z軸ベース
・X軸シャフトリニアモータ及びテーブル
・Y軸シャフトリニアモータ及びコラム
と同調管理することで加工液温度変化を抑制しています。
3.生産性向上
高速加工条件
荒加工で業界最高加工速度を実現できます
機種:MV-Sシリーズ
工作物:Steel
板厚:60mm
ワイヤ電極線:Topas Plus D 二層亜鉛真鍮(コーティングワイヤ電極線)
ワイヤ電極線径:φ0.3
加工速度:410㎟/分
面粗さの向上
セラミックを使った定盤絶縁構造による
微細放電パルスで面粗さが向上します。
電源電圧の安定供給で加工の安定化も実現できます。
これにより標準搭載の電源でRz=1.6μmを実現可能にし、
磨き工程の削減や時間低減が期待できます。
4.省エネ・低ランニングコスト
消耗品の低ランニングコスト
オプトドライブシステムシステムにより電力消費量を従来機よりも最大72%削減できます。
荒加工、仕上加工時のろ過流量切替によりフィルタのランニングコストが
従来機よりも最大50%削減できます。
給電効率を上げることでワイヤ電極線の送り速度を低減させることで
ワイヤ電極線の消費量を従来機よりも最大49%削減できます。
加工液比抵抗値の低い状態でも加工条件が設定可能になったことで
イオン交換樹脂のコストを従来機よりも最大32%削減できます。
5.リモートサービス
MVシリーズに限ったことではないですが、三菱電機の放電加工機では
「iQcare Remote4U」というリモートサービスが利用できます。
(初年度無料、以後2年目以降は有償)
iQcare Remote4Uは大きく分けて2つの機能を持っています。
ダッシュボード機能
放電加工機の稼働情報(加工進捗・作業状況・加工予測・予防保全)を
リアルタイムで確認することができます。
複数台の稼働率やコストの情報をIoTプラットフォームで収集・蓄積し、
一元管理及び見える化します。
その結果を分析することで、生産プロセスの改善・ランニングコスト低減
が期待できます。
リモート診断機能
三菱電機のサービスセンターに設置した専用の端末から直接機械へ接続することで
加工機の状況を遠隔から確認することができます。
その結果、アラーム内容、加工条件などを確認し、支援することで
電話での問い合わせよりもスムーズに三菱電機の支援を受けることが可能です。
以下にiQcare Remote4Uの説明動画や活用事例の動画をご紹介します。
6.MVシリーズのカタログを無料でダウンロードいただけます!
今回、ご紹介いたしました、「三菱電機ワイヤ放電加工機 MVシリーズ」のカタログを無料でダウンロードいただけます!
7.最後に
いかがでしたでしょうか。
放電加工機お役立ちナビを運営する菱光商事株式会社では、
放電加工機に関して様々なサービスを行っております。
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ぜひ放電加工機お役立ちナビまでお気軽にご相談ください。
画像引用元:三菱電機ワイヤ放電加工機MVシリーズ カタログ