放電加工の基礎知識

ドリル加工と細穴放電加工の違いとは?

近年では航空機業界や電子部品業界、医療機器業界といった様々な業界に

高品位な極小の穴開け加工ニーズの高まりにより細穴放電加工の需要が高まっています。

今回はその細穴放電加工の特徴とドリル加工との違いについてご紹介します。

1.放電加工とは?

放電加工とは一般的な刃物で金属を加工する方式に対して、

電気エネルギーを利用して金属を加工する方法です。

基本的には、油や水などの絶縁体の加工液の中で、電極と通電性のある被加工物の間で

短時間のパルス性放電を繰り返し発生させることで生じる火花により、

加工物を溶かしながら電極の形に彫り込む加工方法です。

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2.細穴放電加工とは?

近年では航空機業界や電子部品業界、医療機器業界といった様々な業界で

高品位な穴加工への要求が高まりを背景に細穴放電加工機の需要も高まっています。

その細穴放電加工とは、機械本体にφ0.4~φ1.2程度の電極径を取付け、

ワークに加工液をかけながら回転させた電極を近づけることで、

ワークと電極間に放電現象を発生させて穴を加工します。

一般的な放電加工機の最小穴径はφ3の所を細穴放電加工機では

最小穴径はφ0.1までの微細加工を実現しております。

細穴放電加工の特徴としては、バリをほとんど発生させることなく

高品質な加工を高速で実現することが可能でございます。

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3.ドリル加工と細穴放電加工の比較

ワークに穴をあける際に使われるドリルなどの工具と比較して、

加工ができない超硬や高硬度材などの硬い材質に対しては細穴放電加工機にて対応します。

ここでは、ドリル加工と細穴放電加工の比較についてご説明をいたします。

①加工しやすさ

ドリル加工の場合には、軸方向に推進し円形の穴をあける加工方法でございます。

しかし曲面や傾斜面への加工においては横方向の抵抗が発生することで、

ドリルの曲がりを引き起こすため、安定的な加工が難しくなります。

一方で、細穴放電加工の場合には非接触かつあらかじめプログラミングされた

加工をするので、容易に加工をすることが可能となります。

加工時間においても、細穴放電加工の方が有利でございます。

②アスペクト比(深さ/穴径)

穴の直径と穴の深さの関係性を表す指標としてアスペクト比がございますが、

一般的になドリル加工の場合にはアスペクト比は10程度でございます。

一方で、細穴放電加工では電極径や材質によって左右されますが、

100程度まで加工が可能でございます。

③バリ

金属を加工する時にバリが発生するとして、金属の特徴である延性が挙げられます。

金属に力を加えた時に素材が伸びる延性により、

加工時に力が加わった際に部分的な変形が起きてしまいます。

ドリル加工では直接ワークと接触するためにバリの発生は不可避でございます。

一方で、細穴放電加工は非常に極小な溶融物付着はございますが、基本的に発生しません。

まとめ

今回は、ドリル加工と細穴放電加工の違いついてご紹介をさせていただきました。

穴をあける加工では一般的にドリルをイメージされる場合がございますが、

細穴放電加工の方がより精度の高く、短時間での加工を実現致します。

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