超高速ワイヤ電極線 SPW+β
今回はサンエール株式会社様の製品、
「超高速ワイヤ電極線 SPW+β」
をご紹介します。
ワイヤ電極線については過去の記事で選定ポイントをまとめています。
以下のリンクページよりご覧ください。
ワイヤ電極線には、先日ご紹介した
細径ワイヤ電極線 スミスパークγなどの細線ワイヤ電極線や
通常の黄銅ワイヤ電極線よりも面質を向上できる
高品位ワイヤ電極線などありますが、
今回は通常の黄銅ワイヤ電極線よりも高速に加工することができる
ワイヤ電極線をご紹介します。
1.SPW+βの特徴
SPW+βは黄銅ワイヤ電極線の周りに2層の亜鉛をコーティングすることで
非常に厚いコーティング構造となり、高速加工を実現しています。
1層目は高濃度亜鉛のβ層、2層目も高濃度亜鉛のγ層となっています。
このように濃度の異なる高濃度亜鉛層の構造は特許を取得しています。
2.加工の結果
ではそのSPW+βで加工をするとどのくらい高速加工ができるのでしょうか?
加工は以下の条件で検証しました。
加工機種:三菱電機 NA1200P
ワーク材質:SS400
ワーク厚さ:12mm
ワイヤ電極線径:φ0.25
加工条件:黄銅ワイヤ電極線の加工条件
加工回数:1回
検証するワイヤ電極線:①黄銅ワイヤ電極線②SPW+β
加工の結果、
①黄銅ワイヤ電極線は加工速度が5.38mm/min
②SPW+βは加工速度が6.34mm/min
となり、SPW+βの方が17.8%もアップしました。
加工面粗さも同等でした。
加工条件の変化なしでワイヤ電極線を変えただけで
このような結果となりました。
詳しい加工結果は下記のリンクよりご覧ください。
3.高速加工のメリット
高速加工を行うと加工速度が向上し、加工時間が短縮できることがわかります。
しかし、SPW+βは黄銅ワイヤ電極線に比べると高価なので、
コスト面でデメリットではないか?と思われがちです。
しかしそうではなく、反対にコスト面でメリットがあるのです。
先ほど示した加工内容に下記の条件を追加してコスト化した結果があります。
ワイヤ送り:9m/min
加工周長:300mm
加工費用:3,000円/h
ワイヤ電極線価格:①黄銅ワイヤ電極線:1,000円/Kg ②SPW+β:1,500円/Kg
結果は
①黄銅ワイヤ電極線が合計2,995円
②SPW+βは合計2,632円
となり、約12.1%コストダウンをすることができました。
さらに以下の条件を追加し、一日あたりの利益も計算してみました。
稼働時間:8h/日
加工単価:5,000円/ワーク
稼働日数:22日/月
結果は
①黄銅ワイヤ電極線が合計17,261円
②SPW+βが合計24,020円
となり、約39.2%も利益がアップしました。
以上のことからSPW+βを使用することでコスト面でメリットがあるといえます。
また上記のようなコストや利益は
下記のリンクにアクセスいただき、
数値を入力するだけでシミュレーションが可能です。
ぜひご自身のご使用のワイヤ電極線とSPW+βを比較して、
メリットがあるのか下記よりシミュレーションしてみてください。
4.今後のサンエール株式会社の高速ワイヤ電極線
2022年中に本記事で紹介したSPW+βの後継モデルが発売されるそうです。
後継モデルではSPW+βよりも、より質の高いワイヤ電極線になるとのことなので、
期待しています。
後継モデルが発売されたら本サイトでも紹介する予定です。
5.本サイトよりお問合せいただくメリット
本サイトはサンエール株式会社様とも連携を取りながら、
SPW+βを販売しているため、ご購入いただいた後でも
しっかりとフォローさせていただきます。
また、本サイトはSPW+β以外にも様々な消耗品を取り扱いしているため、
幅広くご相談をしていただけますので、ワイヤ電極線以外にもご興味があれば
ぜひご提案させていただければと存じます。
6.最後に
サンエール株式会社様は他にもワイヤ放電加工機用防錆システムのラステックや
レジンテックの取り扱いもあります。
レジンテックに関して過去に記事にしていますので、
下記リンクよりご覧ください。
今後、サンエール株式会社様の製品についてのご紹介もしていこうと考えています。
SPW+βにご興味のある方は、下記のお問い合わせフォームより
ご連絡ください。