三菱電機ワイヤ放電加工機 MXシリーズ vol.2
1.はじめに
三菱電機のワイヤ放電加工機は様々なラインナップが用意されています。
その中でもMXシリーズは唯一の油ワイヤ放電加工機のシリーズです。
そんなMXシリーズについて前回に続きVol.2としてご紹介します。
前回の記事をまだご覧になっていない方はぜひご覧ください。
2.自動結線
MX900の極細線仕様はΦ0.02~φ0.2のワイヤ電極線に対応しており、
1台でより幅広い高精度加工が可能になります。
中型高精度機と小型高精度機を1台に集約させることができるので、
加工によって専用機にする必要がなくなります。
他機種同様に従来よりもアニール電源性能、テンション制御性能が向上しており、
ワイヤ電極線の巻き癖(カール率10%以下)を取り除くことで自動結線性能を
格段に向上させています。
またワイヤ電極線のアニール距離を大幅に伸ばしたことにより、
高板厚の自動結線性能も向上しています。
加えてMX900の極細線仕様ではテンション制御性能向上により、
ワイヤ電極線の張力と送り出しが安定しています。
それによりφ0.02ワイヤ電極線おアニールが可能で油中自動結線性能が向上しています。
3.ワイヤ回収部のメンテナンス性
新開発のワイヤ回収装置でメンテナンスが容易になっています。
ワイヤ回収部において、簡単に分解・清掃・再組立てが可能で、
生産に遅れを発生させません。
部品の形状を工夫し、再組立て時のミスを予防しています。
(取付け順を間違えていると、そもそも取付けられない)
また主要部品にセラミックやスーパーエンプラを使用し、
長時間にわたり性能を維持してくれます。
4.加工事例
これまで性能についてご紹介してきましたが、その性能を存分に発揮した
加工事例をご紹介します。
微細ピッチ
◇機種:MX900
◇電極線:φ0.07スミスパークγM
◇工作物:超硬合金
◇板厚:7mm
◇面粗さ:Rz0.38μm/Ra0.05μm
◇精度:ピッチ精度±0.3μm
◇アピールポイント:
高剛性ベッド研削やキサゲ作業など予測組み立てによる機械の作りこみ。
長時間安定した高精度加工を実現。
微細孔ピッチ
◇機種:MX900
◇電極線:φ0.05スミスパークγM
◇工作物:超硬合金
◇板厚:0.5mm
◇面粗さ:Rz0.5μm/Ra0.06μm
◇精度:ピッチ精度±0.5μm
◇アピールポイント:
高推力シャフトリニアモータと超高剛性リニアガイドとの相乗効果により、
ウェービングを極限まで低減。
高精度加工を実現する妥協のない自動結線。
大径(φ400)真円
◇機種:MX2400
◇電極線:φ0.2BS
◇工作物:超硬合金
◇板厚:25mm
◇面粗さ:Rz0.40μm/Ra0.05μm
◇精度:真円度2.0μm
◇アピールポイント:
高剛性ベッド研削やキサゲ作業など予測組み立てによる機械の作りこみ。
長時間安定した高精度加工を実現。
5.リモートサービス
MXシリーズに限ったことではないですが、三菱電機の放電加工機では
「iQcare Remote4U」というリモートサービスが利用できます。
(初年度無料、以後2年目以降は有償)
iQcare Remote4Uは大きく分けて2つの機能を持っています。
ダッシュボード機能
放電加工機の稼働情報(加工進捗・作業状況・加工予測・予防保全)を
リアルタイムで確認することができます。
複数台の稼働率やコストの情報をIoTプラットフォームで収集・蓄積し、
一元管理及び見える化します。
その結果を分析することで、生産プロセスの改善・ランニングコスト低減
が期待できます。
リモート診断機能
三菱電機のサービスセンターに設置した専用の端末から直接機械へ接続することで
加工機の状況を遠隔から確認することができます。
その結果、アラーム内容、加工条件などを確認し、支援することで
電話での問い合わせよりもスムーズに三菱電機の支援を受けることが可能です。
以下にiQcare Remote4Uの説明動画や活用事例の動画をご紹介します。
6.MXシリーズのカタログ
今回、ご紹介いたしました
「三菱電機ワイヤ放電加工機 MXシリーズ」のカタログを
無料で入手いただけます!
7.最後に
いかがでしたでしょうか。
放電加工機お役立ちナビを運営する菱光商事株式会社では、
放電加工機に関して様々なサービスを行っております。
放電加工機について
「放電加工機の加工で分からないことがある」
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といったご不安をお持ちの方は、
ぜひ放電加工機お役立ちナビまでお気軽にご相談ください。
画像引用元:三菱電機ワイヤ放電加工機MXシリーズ カタログ