鏡面加工とは?放電加工機における鏡面加工について
放電加工機における「鏡面加工」って何でしょうか?
形彫り放電加工機とワイヤ放電加工機での違いはあるのでしょうか?
「鏡面加工」に関する情報をまとめました!
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1.そもそも鏡面加工とは?
鏡面加工とは、加工素材を研磨などすることによって表面を鏡のようにピカピカに仕上げる加工方法です。
ワイヤ放電加工ではRz0.38μm(Ra0.05μm)まで、形彫り放電加工ではRz0.5μm(Ra0.06μm)までの面粗さを出すことが現在可能です。
※加工素材、搭載電源、電極材質などにより面粗さの数値は異なります。
鏡面加工
2.形彫放電加工機における鏡面加工について
形彫放電加工機で鏡面加工をする際に重要なポイント
鏡面加工がうまくいくかどうかのポイントは電極にあります。
形彫放電加工機は電極をもちいて、金属にその電極の形状を転写していくように加工をします。
電極が必要な精度・形状に仕上がっていないと加工素材へ放電加工しても必要な寸法や形状を得ることは難しいのです。
その為、形彫放電加工機は加工機の搭載電源や加工素材の他に、電極の出来不出来に左右されます。
これは鏡面加工をする際にも同様です。
ざらざらな面の電極を使用すると、せっかく放電加工しても必要な面粗さが得られないということが起きてしまいます。
どのような業界に求められるか
①プラスチック射出成型の金型
理由として、成型後の離型性向上が挙げられます。
金型の面粗さが悪いと製品とコア金型との離型抵抗が大きくなり、金型の寿命が短くなる要因となります。
また離型不良となり、成型品に傷や、変形が発生しています可能性もあります。
②コーティング
面粗さが良いと、コーティング層が均一になります。
TiAIN皮膜やCrSiN皮膜などのコーティング密着強度が向上します。
面粗さが悪いとコーティング層も面に倣ってしまう可能性があり、密着強度もその分悪くなってしまいます。
3.ワイヤ放電加工機における鏡面加工
ワイヤ放電加工機で鏡面加工をする際に重要なポイント
ワイヤ放電加工機における鏡面加工は加工条件と搭載電源が重要です。
常に一定の線径に整えられたワイヤ電極線が供給されるので、形彫放電加工機とは異なり電極の形状を気にする必要はほぼありません。
しかし加工条件はメーカー加工技術者との相談が必要になるケースがあります。
通常ワイヤ放電加工機で加工する製品は2~6回加工のものが多いですが、鏡面加工の領域の面粗さにするためには7~10回加工する必要があるためです。
また面粗さを良くするオプション電源がワイヤ放電加工機に搭載されているかもチェックが必要となります。
これからワイヤ放電加工機を購入検討されている方はどれほどの面粗さが加工機で出すことができるかメーカーに聞いておくと良いでしょう。
どのような業界に求められるか
①自動車向けモータコア金型(スクイーズリング、プレス、ダイ金型)
自動車にはモータコアという部品があります。スクイーズリングはそのモータコアを作るためのプレス金型部品の1つです。
形状制度や真直精度もさることながら、面粗さが悪いとプレス加工した際に摩擦力によって鉄粉が発生し、モータコアが焼き付いてしまうといった事が起きてしまいます。
また他プレス金型、ダイ金型も当然面粗さを求められます。
ワイヤ放電加工機は水を使用する加工機と、油を使用する加工機があり、現在出せる面粗さは下記の数値となっています。
・水仕様のワイヤ放電加工機:Rz0.6μm(Ra0.08μm)
・油仕様のワイヤ放電加工機:Rz0.38μm(Ra0.05μm)
4.まとめ
今回は鏡面加工についてまとめてみました。
最近ではジグ研削盤の置き換えとしてワイヤ放電加工機を使用するケースもあるなど鏡面加工によって用途が広がっている放電加工機です。
もっと鏡面加工について知りたい。放電加工機の面は実際どうなっているの?と言った方は是非お問い合わせください!