中古ワイヤ放電加工機の購入・導入におけるポイント~実際の導入事例ご紹介~
今回は実際に放電加工機ナビにて中古のワイヤ放電加工機を販売、設置した事例をご紹介していきたいと思います。
中古の放電加工機を購入される際に気を付けた方が良いポイントなどもしていきますので導入を検討されている方は要チェックです!
1.中古のワイヤ放電加工機の市場動向
中古市場に流通しているワイヤ放電加工機の多くは2000年~2010年に製造されたものが多い印象です。
購入後、10年~20年程使用して更新の際に中古機市場へ流れているものと予想されます。
ワイヤ放電加工機は加工液に水を使用するものが多く、状態の把握などは慎重に行う必要があります。
2.中古のワイヤ放電加工機を導入する際のポイント
中古機械(非認定)の購入・設置サポート
放電加工機 お役立ちナビでは中古機械の購入や設置サポートをしています。
では実際に購入される際にはどのような点に気を付けた方が良いでしょうか?
中古工作機械を購入するにあたり、1番重要なことは「搬入・据付調整後に立ち上げ、加工ができるか」です。
その為、以下の事柄などをしっかり確認しておくべきです。できれば機械が置いてある場所まで出向いて実際に目で見てみると良いです。
- 機械の電源が入るか
- 板金に汚れ、穴あきなどが無いか
- データ入出装置は何か?作動するか?
- 自動結線装置は作動するか
- 駆動軸、ポンプに異音がしないか
- 水漏れしていないか
- 加工液(水)がタンクから加工テーブルまで上げってくるか、またタンクへ戻っていくか
- 基板や部品のメーカー保守は終了していないか
- 各部品の消耗度合い
- ユニットクーラーがある場合は作動するか etc….
交換が必要な部品などがある際は、そのことも念頭に置いて検討する必要があります。
3.実際の導入事例ご紹介
では実際に放電加工機お役立ちナビが販売設置したお客様の事例をご紹介します!
①お客様導入背景と予算感
既に古いワイヤ放電加工機(1987年製)を所有。
電子系保守部品の供給が途絶え、次回壊れると修理不可の状況。
予算感としては設置費など込みで200万円程。
②放電加工機お役立ちナビご提案機械
三菱ワイヤ放電加工機FX10(1998年製)をご提案させて頂きました。
本機械は中古機屋が販売しているものではなく、所有していたユーザー様から放電加工機お役立ちナビが
転売という形で販売させて頂きました。
③機械コンディション
今回は放電加工機お役立ちナビが機械コンディションのチェックをしました。
チェック項目としては以下の事項をチェックし、必要であれば部品交換などを実施しています。
- 電源・・・ON/OFF問題無いか
- NC画面・・・操作に問題無いか、焼き付けなど起こしていないか
- ポンプ(水関連、潤滑油関連)は作動するか
- 自動結線は繋がるか
- 欠損部品は無いか、取扱説明書はあるか
- 消耗部品は交換必要か
- 軸移動をした際に異音や変な動作をしないか
幸いご提案させて頂いた機械はコンディションが良く、交換した部品は
ダイヤモンドダイス、給電子、潤滑ポンプの3点のみでした。
④実際に設置
当日の様子を写真に収めました。
転売前の機械状況の写真です。
↓
・本体全体
・定盤:掃除は必要ですが奇麗です
・NC画面:しっかり立ち上がります。操作も問題ないです。
・自動結線装置:ダイヤモンドダイスの詰まり、給電子の消耗が見られました
搬出します!
↓
・機械をバラしました!
設置します
↓
・ワイヤ電極線も手配し、しっかり搬送されます
・自動結線もばっちりです
・加工もしっかりできることを確認できました!
実際の作業としては下記の事項を放電加工機お役立ちナビで手配や日程調整など行っています。
- 機械運搬前のばらし作業:メーカーサービスへ依頼
- 運送屋の手配、事前下見:搬出入、既設機械の搬出、レベル出し
- 設置後の組付け作業:メーカーサービスへ依頼
- 機械診断:メーカーサービスへ依頼
- 操作指導:メーカーサービスへ依頼
加工まで行えることが確認でき、お客様もご満足いただいた様子でした。
4.まとめ
今回は無事に搬出から設置まで行うことができました。
しかしチェック項目を見落としていたりすると、保守部品が無い、設置後に高額修理が発生するなどのトラブルに
見舞われてしまうケースもあります。
中古のワイヤ放電加工機は新品と比べ安価ですが、気を付けなければいけない点が数多くあります。
今回の記事をご参考にして後悔の無いように購入の検討をしてみは如何でしょうか?